「坊主にすると髪質が変わってくせ毛が直る。」という話を聞いたことがありますか?私が学生の頃に良く聞いた話なのですが、現代の学生の間でも未だにその情報が広まっているようです。
”坊主頭”と言えば、学生時代の部活動によって髪の毛を丸刈りにしたり、お坊さんのような職業の人がするイメージがありますよね。
今でも高校球児などを代表して、みんな坊主頭で統一する習慣が残っています。今では坊主頭は規則によって行うことが定着しているようですが、昔は結構坊主頭の人の割合は高かったんですよ。
そんな坊主頭にすることによって髪質やくせ毛が直るなんて、にわかに信じがたいですよね。
そこで今回は、髪の毛を丸刈りにして坊主頭にすると、本当に髪質やくせ毛が変化するのか、詳細を説明します。坊主にすることでのメリット・デメリットについても紹介しますよ。
坊主にすると髪質は変わるのか
「坊主にすると髪質やクセ毛が改善する。」という噂を聞いたことがある人は、今一度思い出してみて下さい。その噂って、思春期の頃に聞いた噂じゃないですか?
思春期の頃に広まる噂って、根拠のない、根も葉もない噂がほとんどです。
結論から先に言ってしまうと、”坊主にしたところで急に髪質やくせ毛が変化することはありません!”
その理由には”頭皮の毛穴”が関係しています。
ポイント💡頭皮の毛穴は、生まれた時から向きが決まっていて、この毛穴の向きによってくせ毛は発生してしまいます。先天性の毛穴の歪みは、ヘアーアイロンなどを使っても根本の解決にはなりません。
なので、元々生まれてきた時からくせ毛の人は、坊主にしたところで毛穴の奥にある髪質を決める毛球に変化はない為、髪質・くせ毛の改善には繋がりません。
しかし、坊主頭にするのと思春期が重なった場合は話が変わってきます。というのも、思春期の時は成長過程でホルモンバランスの変化が起こることによって、髪質に変化が訪れるからです。
よって、坊主頭にした時と思春期による髪質・くせ毛の変化が重なると、「坊主頭にしたから髪質やくせ毛が直った!」と勘違いするわけですね。
くせ毛の発症には先天性と後天性があり、先天性は生まれた時に確立してしまうくせ毛で、後天性は思春期を迎えた時に成長ホルモンとの関係によってくせ毛を発症させてしまいます。
思春期の髪質の変化によって生まれてしまう、うねり毛についてはこちら。
思春期によって変わる髪質
坊主にすることでは髪質の変化は起きませんが、生まれた後に髪質が変化するとすれば、前述した通り主に思春期の頃の学生時代です。
学生時代、自分や周りにもこんな変化が訪れませんでしたか?
・小学生の頃は身長が低かったのに、中学生になったら急に身長が高くなってしまった。
・一重だったはずが、気付いたら二重になっていた。
・体毛が濃かったのに、中学生を過ぎた頃から薄くなり始めた。
・最初は父親にだと言われていたが、途中から母親にだと言われるようになった。(逆もしかり)
・声が変わった。高い声が出なくなった。
・元々剛毛だったはずの髪の毛が、柔らかい軟毛に変化した。
思春期特有の身体に起こるこれらの変化は、誰にでも起こりうることです。
身体の変化と共に、髪質にも変化が起こると言えますよね。
また、髪質が変化する代表的な時期は思春期ですが、どんな年齢の人でもホルモンバランスの乱れによって、髪質が変わってしまうことがあります。
特に女性は、月経や妊娠・出産など、数多くのホルモンバランスの崩れを経験します。ホルモンが崩れるということは、髪質の乱れを引き起こすことにも繋がるのです。
髪質は、日頃の生活習慣やヘアケアのやり方によっても変わってしまうので、注意が必要ですよ。
毛根は減ることはあっても増えることはない!
髪の毛は毛根から生えてくるのは分かりますよね?その毛根の数は生まれた時に決まっていて、生涯変わることはありません。
薄毛や抜け毛といった症状は、この毛根の機能が停止して死滅してしまうことによって引き起こされます。
更に言えば、毛根内の毛母細胞が死滅すると、二度と髪の毛は生えてこなくなるのです。
ですが、毛母細胞は簡単に死滅するわけではありません。頭部が大けがをしたり火傷を負わない限り、死滅することはまずないでしょう。
ただし、男性特有の脱毛症であるAGAにかかってしまった場合、毛母細胞が休止期に突入する為、ヘアサイクルが変化して脱毛が促進されてしまう可能性があります。詳しくはこちら。
髪の毛にはヘアサイクルが存在し、平均して4~6年と言われていますが、このサイクル内の「成長期」でどれだけ髪の毛を成長させられるかが、髪の毛の太さ・長さを左右します。
また、坊主のような髪型にはたくさんのデメリットがある為、抜け毛や薄毛を引き起こす要因が多く存在するのです。
坊主にすることのデメリット
そもそも、髪の毛は何のために生えているのか知っていますか?一番先に考えられるのは、「脳みそを守る為。」ですよね。
しかし、髪の毛の役割はそれだけではなく、私達の体を外的ダメージから守る為に様々な役割を果たしています。
例えば、毎日私達の頭上から降り注ぐ紫外線。近年降り注ぐ強烈な紫外線は、頭皮内の細胞まで破壊し、皮膚ガンなどの重病を引き起こす要因ともなります。
特に日本は、日本人の髪色からも分かるように、紫外線が強い地域としても知られています。
紫外線を吸収する色である黒色は、人間の進化の過程で日本人が得た特徴です。詳しくはヘアカラーの記事でも。
坊主になることによって、紫外線から皮膚を守る役割を担っている髪の毛を無くすということは、相当なリスクを冒すことになるのです。
また、髪の毛には衝撃を吸収したり、異性へのアピールとしても重要な効果を発揮します。人間の頭部には頭蓋骨しか脳を守るものが無く、その頭蓋骨が損傷することで脳にも影響を及ぼします。
なので、クッション材としての効果も発揮する髪の毛が無いと、心臓と同じように大事な臓器である脳を守る為の術を無くしてしまうことにもなるのです。
髪の毛が無いと、寒くて心底冷えてしまい身体にも良くないことが分かりますよね。
このように、坊主にすることでのデメリットは数多くあります。
坊主にすることのメリット
一応坊主にすることのメリットも紹介しておきます。外に出て日常生活を送る上で、髪の毛は無くてはならない存在なので、あまりメリットとしては大きくありません。
なので、箇条書きでまとめてみます。
・毎日のシャンプーやトリートメントで、ヘアケアを気にする必要が無い。
・シャンプーやトリートメントの量を減らすことが出来る。
・ゴシゴシと洗わなくても汚れが落ちる。
・すぐに乾く。
・寝ぐせが付かないので、毎朝のスタイリングに困ることが無い。
・皮脂汚れの吸着に気を付ければ、頭皮を常に綺麗に保つことが出来る。
メリットを挙げるとこんな感じでしょうか。ヘアケアや毎日のシャンプーやトリートメントが面倒な人にとっては、坊主にすることのメリットは大きく感じるでしょう。
しかし、坊主にすることによって、本来毛先まで行き届く筈の皮脂が頭皮に滞留してしまい、その皮脂が嫌な臭いや湿疹を引き起こす場合も考えられます。
デメリットで挙げた例も考えると、メリットの方が弱いことが分かりますよね。見方を変えれば、”個性的”とも思える坊主ですが、自分の身体の為を想えばおすすめは出来ません。
まとめ
今回は、「坊主にすると髪質やくせ毛は直るのか!?」と題して、根拠の無い噂をバッサリと切り落とすように説明しました。
高校球児など、規則上坊主にしなければならない人は、坊主の期間が長いほどまた伸び出した時に「髪質が変わった!」と錯覚してしまいます。
しかし、実際は思春期のホルモンバランス変化によって起こることだったり、体調の変化が関係している影響が大きいのです。
間違っても坊主にすれば髪質が変わるわけではないので、変な期待はしないようにしましょう!
自分の身体を守る為にも、毎日のヘアケアに注力してヘアスタイルを気にし、異性へのアピールとしても髪の毛を綺麗に保ちましょうね!
最後までお読みいただきありがとうございます。大きなリスクを背負ってまで、坊主にするメリットは何もありません!